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研究室概要

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研究概要

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研究概要

がん
国立がん研究センター(肺がん、食道がん)、聖マリアンナ医科大学(乳がん)に籍を持つ臨床医が当研究室に在席する形で臨床検体の解析を実施している。また全国の医療機関と年間100件程度との共同研究(血液がん、大腸がん、すい臓がん等)を実施している。

長鎖DNA解析
従来の短鎖シークエンス解析に加えて、長鎖シークエンス解析も大規模なデータ解析が開始されている。がん変異の起こる染色体背景がメガベースを超える範囲で明らかになりつつある。正常ゲノムからがんゲノムがどのようにして変異を生起、蓄積していくのか、初期ガンから進行がんに至るまで、その進化を詳細に解析しようとしている。

空間トランスクリプトーム解析
シングルセル解析に加えて、がんにおける遺伝子発現の空間上の多様性を解析することが可能になっている。ヒートマップ状に病理画像に写像された遺伝子発現情報をもとに、がんがどの部分で免疫細胞等と相互作用をするのか、上皮間葉転換(EMT)が起こるきっかけになる変化は何なのか、がん関連繊維芽細胞との相互作用等について、解析を進めている。

感染症、免疫
コロナ等の感染症あるいはワクチン投与にともなう免疫細胞の応答について、シングルセル解析を行っている。個体間で大きく異なる変化を記載することで、症状の重篤化、免疫応答の多様性についてゲノム、エピゲノム、トランスクリプトームの多階層解析によりその背景分子機序を明らかにしようとしている。

“健康”あるいは“未病”の理解へ
上記のように、多くの疾患患者で飛躍的に網羅的解析が進んでいる。その一方で、一般に健康な生活を送る健常者の体内でおきる遺伝子発現、その個体差、同一個体内での概日変化、老化変化等の理解はほとんどわかっていない。ゲノム配列がコードする遺伝的体質に加えて、長年の環境因子の相互作用あるいは既往症等の総合的な結果として、現在の“体質”が実現されていると思われるが、本研究室では、その分子実態の記述を試みている。近隣住民の協力を得て、その住環境等、スマートウオッチ等も駆使した次世代型健常コホート解析である。これにより“未病”あるいは“健康”の再定義を行う。

技術開発
近い将来にさらに現在の計測を大規模化・精密化を行うための技術開発を行っている。ロングリードによるトランスクリプトーム・エピゲノム解析あるいは組織の微細加工からのオーミクス解析技術の開発等である。